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時は2001年9.11同時多発テロがあった日。
“根拠なしポジティブ”のフリーター健太は
サーフィン中に波にさらわれたまま気を失ってしまいます。
目が覚めたところは空襲警報がなる戦時中。
「マジか?ドッキリだろ」

一方、昭和19年、「海の若鷲」にあこがれる軍国青年吾一は
飛行訓練で遭難し、気がついたところは2001年の現代。
「ここは日本ではない、敵国で捕虜となってしまったのだ」

時空を超えて入れかわった二人は
各々の環境を受け入れられず四苦八苦。
なんとかそれぞれの境遇に順応する努力をしながら
元の時代に戻ろうとするのですが・・・


過去にタイムスリップする話はよくあるけど
そっくりそのまま入れかわっちゃうところがおもしろいです。
60年の時が隔てた二人の価値観の違いは
「戦争」が題材となっているので
やもすれば重苦しくもなるところですが
新旧青年のユーモラスな対応でサクサク読めました。

もし自分がタイムスリップするなら
未来と過去どっちがマシだろうって考えます。
知識が有るだけ過去の方がいいって思ったけど
健太の様子を見るととても過酷。

心情的にはチャラい健太より
生真面目な吾一に感情移入するのですが
ラストシーンはどうなんでしょうか。
残ったのは健太とも、吾一ともとれる。
あー、こういう終わり方ね。。。
あとは読者の想像にお任せ。
いつも言ってますが、白黒はっきりさせたいので
ちょっとなぁ。゚(゚´Д`゚)゚。



by noro2happy | 2016-09-01 20:26 | book

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この本は確か去年予約したもので
ようやく順番が回ってきました。
この間に、荻原さんは先月直木賞を受賞されましたね。
おめでとうございます。


荻原作品を読むのは多分三作目。
最初は「明日の記憶」で
これは映画にもなりましたが、明日は我が身とも思えて心に残る作品でした。
その次は「愛しの座敷わらし」(感想文こちら★★★

さて、本書ですがジャンル的には何になるんでしょうか。
まぁ、無理に系統別にすることはないのですが
ファンタジー?でありミステリー?
間違いなく「明日の記憶」ではなく「愛しの座敷わらし」系ですが
それよりさらに、正直とても奇抜な作品でした。




勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。
同棲していた彼女は出て行った。
うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、
憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った
目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、
ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。
幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。
えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。
素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、
そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。
だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。
(「BOOK」データベースより)



あるときは金魚になり
またある時は赤いべべ来た可愛い女子になる。
化身モノはよくありますが金魚というのは初めてかも。

もともとは人間だったリュウは
許嫁を無実の罪で捕らわれ、ある男に残忍な方法で殺されます。
許嫁を殺したその憎い相手と婚礼の儀を執り行わなければならない夜、
リュウは自ら沼の中に見を沈めたのです。
生まれ変わって金魚になるのですが
何度も何度も輪廻転生を繰り返します。
リュウの恨みは深すぎて、そのたびに残忍な方法で誰かが死にます。

そして時を経て最後に出会ったのが潤。
となると。。。結末は予想出来ますよね。
「お前だ!」と言ったときは
昔は流行った怖い物話でいきなり指さされたような、ビクッとした恐怖が蘇った(^_^;)
でも、潤はリュウがそれまで会ったようなやつではなかった。

冒頭の潤と、金魚を飼い始めてからの潤の心の変化。
そしてリュウの可愛らしさ。
だからこそ結末が切ないのだけれどまぁ、こうなるしかないかな。

蛇足ながら、ワタシが一番オオッと思ったのは
元カノが訪ねてきた時の件です。
これは予想してなかった。
やられた。
現実的に一番悲しかった。

正直なところワタシのお好みではなかったですが
なんとなく先が気になってツツツと読了してしまいました。


***


最近、作家さんご自身や、出版社さんからリツイされることがあって
あまり上から目線で書けなくなってしまったわぁ┐(´д`)┌ヤレヤレ
(ウワァッ、やらしい、自慢かよ!←そうですがなにか)





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おまけ:
琉金のリュウと、積年の恨み黒らんちゅうのイメージPic(-_-;)
(2014アートアクアリウム過去Picより)










by noro2happy | 2016-08-05 22:12 | book

c0096685_211241.jpg★★★☆
「愛しの座敷わらし」   ・・・・・#1219

主人公は一家5人、高橋家の面々。
出世コースから外れた夫。
家庭は二の次の夫にイラつく妻。
当然夫婦仲は冷え気味。
娘は学校の友達とうまくいっていない。
息子は喘息のため、過保護に育てられている。
姑は夫を亡くして以来、認知症の症状が出始めてる。
まぁ、極限まで問題ありの家族ではなく
どちらかといえば、どこにもでもありそうな一家。

地方支店への転勤が決まった夫が買ったのは
不便極まりない、田舎の大きな古民家。
住み始めるといくつかの奇妙な現象が起こるようになる。
誰もいないのに足音が聞こえたり
知らない間に物が移動してたり
「お子さんは3人ですか」と聞かれたり。
どうやらそこには、子供の妖怪「座敷わらし」が住んでいるらしい。

座敷わらしの存在が明らかになるとともに、家族の関係にも微妙な変化が。
バラバラだった一家が座敷わらしのお陰で本当の幸せに気付き
家族の絆を取り戻すという希望と再生の物語。

さて、以下は結構言いたい放題なので、本作品に感動した人は
共感されないと思うので読まずにスルーしてくださいませ。

荻原作品を読むのは「明日の記憶」に続いて2作目。
えっ?こんなに軽かったっけ?
というのが第一印象。
明日から映画も公開され、本もすごく評判がいいみたいなんだけど
正直・・・そんなかなーという思いです。

「座敷わらし」といえば、去年観た劇団四季の
「ユタと不思議な仲間たち」(感想はこちら)が浮かぶんだけど
アレほど強烈な印象が、本書のわらしちゃんにはない。
家族の心境を激変させるほどの存在というには説得力がありません。
わらしちゃんのお陰っていうより、こういう住環境になれば誰でも・・・
なんて、思ってしまうワタシはダメ?
一人称の地の文も必要性のないことが多くて
途中からはほとんど斜め読みになってしまった。

大人のファンタジーというにはあまりにもありきたりで。
逆に「守り人シリーズ」のような児童文学にしては
高度なファンタジーを読んだあとではモノ足りませんのよ。

というわけで、スミマセン。
ワタシにはイマイチでした。
まぁ、GW中にほのぼのしたい人にはいいかもしれません。
by noro2happy | 2012-04-27 21:11 | book