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2014年 04月 15日 ( 1 )

「沈黙の町で」奥田英朗


「沈黙の町で」   ・・・・・#1410

最後まで読まないうちにもしかして・・・
そんな予感はあったんだけど
あー、やっぱこれで終わりかぁ(>_<)

またしても奥田さんにやられた。
ついこの間の「噂の女」と一緒で
ラストが完結しない。
しかも今回は長編。
うっ、うーーー
ぎもじわりぃぃぃ。

でも、おもしろいのよね。
テーマがいじめだから語弊があるかもしれないけど。
文章読みやすいし、内容に引きつけられて
どんどんページが進んだ。

中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。
屋上には五人の足跡が残されていた。
名倉の背中にはつねられたあとの内出血が一面に。
事故か?いじめによる自殺か?それとも...。

やがて同級生二人が逮捕、二人が補導される。
(これは同学年でも誕生日を境に13歳か14歳かで扱いが違うんだそう)
警察は傷害という別件で拘束し
一気に事件の確認に迫ろうとするのですが
少年たちは真実を語りません。
動揺する家族、先生、生徒たち。

物語の後半からは事件前と事件後の叙述が平行して描かれます。
読者だけが経緯を俯瞰で眺めてるから
いじめられっ子の名倉にも問題があったこと
首謀者として逮捕された同級生が
実はいつもかばっていたことなどがわかります。

あえて、結末をきっちり描かないところは
結局タイトルの通り
だれもが口を出さず静かに沈黙を守っていくに任せ
やがて忘れられていく事件にすぎないってことだったのか。

同時に、関係者にとっては非日常の事件に遭遇した時こそ
自分にとって最も大切なモノが分かり
かつ、それゆえのエゴも丸出しになるってことね。

余韻という人もいるかもしれませんが
乃南アサさんだったらその後の家族の再生物語で
もう一冊書いちゃうところでしょうね。
ワタシも出来ればそっちを期待しちゃうかな。
奥田さん、ぜひその後を!

一部の不良少年を除けば
みんなの気持ちそれぞれに添えるなー
という感想でした。




by noro2happy | 2014-04-15 21:14 | book