📖「眩(くらら)」朝井まかて(#1650)

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我ながら本のチョイスが大当たりで
読書が楽しいったらありゃしない。

本書も
ヒットだヒット!
(↑ムダに使ってる)
朝井まかてさん、初めて読みましたが
光の速さでリピ確定作家リストにinしました。
おめでとう024.gif ←なにさま

葛飾北斎の三女お栄(葛飾応為)の知られざる半生を描いた歴史小説です。
北斎展へは何度か足を運んでいるので
北斎の娘が画家であるということは頭の片隅にありました。
でもその絵を見てるのか見ていないのか、覚えていない。。。
そんなレベルです。
それが本書を読んですっかり応為のファンになってしまいました。


偉大すぎる父・北斎、兄弟子・渓斎英泉への叶わぬ恋、
北斎の名を利用し悪事を重ねる甥、
人生にまつわる面倒ごとも、ひとたび筆を握れば消え去る。
北斎の右腕として風景画から春画までこなす一方、
自分だけの光と色を終生追い続けた女絵師・応為。
自問自答する二十代から、
傑作「吉原格子先之図」に到る六十代までを、
圧倒的リアリティで描き出す。
(「BOOK」データベースより)


で、この「吉原格子先之図」というのが本書の表紙絵です。
今回やたら大きな写真を用いたのは
この絵を見て欲しかったから。
とても江戸時代の絵とは思えません。
格子の向こう側の華やかな灯りと比べ、
こちら側は提灯の灯りだけ。
陰影スゴイですよね。
吉原の妖しい雰囲気が感じられます。

残念ながら現存する作品は10点前後と少ないんですね。
章のタイトルにもなっている「夜桜美人図」「三曲合奏図」は
ググりながら、絵を鑑賞しつつの読書でした。
というか、読んでるうちにたまらず絵が見たくなるんですよ。

面白いのは絵にまつわる話だけではありません。
兄弟子・英泉こと善治郎へのやるせない思い。
(因みに、善治郎、とってもワタシ好みです)
姉の息子で、チマチマと悪事ばかり重ねる時太郎の尻拭いをしたり。
(因みに、登場人物で唯一苛々させられた気に入らない野郎です)
様々な事情にてんてこ舞いでもあるのです。

しかしお栄はそのへんのやわな女じゃないんですね。
というよりむしろ、この時代としてはブッ飛んでる?
タバコは好きだ、酒を飲みながら絵筆を持つのは当たり前。
炊事は苦手で繕い物もダメ。
もちろん、家の中は散らかり放題。
どれもこれも、お栄にとっては
そんなもんやってるくらいなら絵の具をこしらえ、筆を握りたい、なんですね。
すっごい分かるわ。(←一緒にするな!ですが)
とにかく、江戸時代こんな女傑浮世絵師がいたなんてもう、ビックリ。
お栄さん、旦那捨ててよかったよ、って感じ。

もちろん、父である北斎もタップリ登場します。
エピソードのどれもが面白いんですが
いざこざが耐えなかった滝沢馬琴との場面は
ぐっと来てしまいました。
中風で倒れた北斎を罵倒する馬琴に対して
「養生はもう飽きた」と絵筆を取る場面はゾクッときます。
それと、あの「富嶽三十六景」にまつわるお話も。


そんなわけで、今回は葛飾北斎父娘にすっかり心奪われてしまって。
こうなったら、応為の「吉原格子先之図」がある
太田記念美術館に近日中に行くぞ!
そして、11月にオープンする「すみだ北斎美術館」がものすごく楽しみなのであります。










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by noro2happy | 2016-09-09 20:28 | book