📖「犯人に告ぐ2-闇の蜃気楼」雫井脩介(#1607)

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映画版で覚えてますでしょうか。
トヨエツの決め台詞
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」
あの続編となります。

改めて1作目の感想文を読みなおそうと思ったのに、ない。
それもそのはず。
ブログを始める前に読んだものだった(¯―¯٥)
となると、ずいぶん過去の作品の続編ということなんだ。

作中ではそれから半年後として描かれていますけど、
前作を読んでいなくても全くノープロブレムのモーマンタイ。
劇場型捜査は忘れて下さい。

冒頭は「振り込め詐欺」の巧妙な手口から始まります。
むしろこっちの騙しのテクのほうが、劇場型といえるか。
数人がそれぞれの役割を演じて、ターゲットを欺く。
今まで、なんでこんなのに引っかかるかなぁと、不思議なくらいだったけど、
いやいや、このやり口を読んでいたら
絶対騙されない、と自信を持って言えなくなりました。

この「振り込め詐欺」の犯人は
巻島警視(映画でトヨエツが演じた人ね)率いる特別捜査隊によって検挙されます。
因みに、特捜隊とは警察の「課」の仕切りなしに
臨機応変に事件に派遣される遊軍みたいなものです。
ただ、実行犯は逮捕されたものの
裏の首謀者淡野と、仲間の知樹・健春兄弟が行方知れず。

彼らが次に狙ったのは身代金目的の誘拐でした。
同じく指南役は淡野。
ほとんどの誘拐がうまくいかないのは
身代金の引き渡し時のリスクによって。
ここで淡野が考えたのが、振り込め詐欺の手口。
犯人は真のターゲットを誘拐する前に
事前に軽い(?)別の誘拐劇を仕込むという、
具体的な淡野の話に知樹達兄弟も引きこまれていきます。

淡野が仕組んだ最初の誘拐は、それなりの会社の御曹司が行方不明になったということで、
マスコミにも報道されるのですが、
一向に身代金授受の話が出てこないうちに、被害者が解放されます。
単純な行方不明事件としてうやむやになるのですが
実は淡野たちは被害者の弱みに付け込み、裏取引で身代金をせしめていました。

淡野はこれを一つの実績として、誘拐ビジネスを仕掛けるのです。
本チャンのターゲットは菓子メーカーの社長。
身代金は1億円分の金塊。

先ずは小学生の息子が拉致監禁され、次に社長が。
電話での身代金要求は行わず、先に解放された社長に受け渡し方法が指示されます。
息子の安否を気遣う社長は、解放されたあとも警察側に本当のことをいいません。
協力を得られないまま犯人に接触しなくてならない巻村警視。
唯一真実を知らされ社長秘書・・・
三者三様の事情、感情が絡みあい騙し騙され。
いやいや、おもしろい。

ま、結局この事件でも実行犯となった兄弟は逮捕されるのですが
指南役の淡野はまんまと逃げおおせます。
実は彼こそは、警察内で『リップマン』と呼ばれていた男。

巻村警視は『リップマン』に言います
「お前もすぐに捕まえてやる。
お前はそれまで震えて眠れ」

これはまた続編があると思っていいんですかね。
楽しみだ。




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by noro2happy | 2016-02-16 20:50 | book