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「虚貌」雫井脩介(#1551)

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つなぎ用として書架からピックアップしたのに
えらく面白くて上巻あっと言う間。
どうなるの?どうなるの?
気が急いてどんどん読み進んでしまいました。

が、その勢いも下巻になるとやや失速。
そこらでトリックが見えてしまうのです。
しかもいささかオキテ破りのトリック。
えっ?それがアリなら
なんでも完全犯罪になっちゃう・・・
チョットばかり無理があるんでないの~~~???

と、ワタシですらやや引き気味でしたから
純粋に謎解きが好きなミステリーファンとしては
好みが分かれるでしょうね、このお話しは。
しかもラストが思わせぶりだし。
結局真犯人はどうなった?
という謎が残って
なんともスッキリしないのですよ。
でも、面白いのよ。
うーん、感想文が困った。

気になる人は本を読んでください。
って、こらこら!

先ずはサクッとあらすじから。

運送会社を解雇された従業員3人と、その友人の少年。
逆恨みから社長夫婦を惨殺して家を放火。
居合わせた中学生の娘は半身不随の大怪我の後、自殺する。
弟は全身大やけどを負うが、奇跡的に一命を取り留める。
犯人4人は逮捕されるが、未成年の少年は釈放、
首謀者の時山と坂井田は、荒を主犯に仕立てあげ刑は軽く
嵌められた荒は21年間模範囚として服役する。
荒の出所後、坂井田と時山が相次いで何者かに殺され、
そこには荒の指紋が。
21年前も放火殺人事件の捜査にあたった滝中刑事は
末期がんに侵されながらも、執念で最後の事件に立ち向かう。

小説のテーマは一貫して『顔』なんです。
青アザをカバーマークで隠す刑事。
顔を覚えるのが苦手な刑事。
僅かな手がかりから完璧な似顔絵を書く刑事。
火傷のせいでケロイド状の顔を持つ男。
醜形恐怖症の女。
そして、トリックも顔。

そんなわけで特に後半は、謎解きとして読むよりも
顔にまつわる深層心理を描くサスペンスとして読むと面白いです。

でも、ワタシが犯人だったら
あんな風にスパっと殺さないで
自分の正体をシッカリ分からせた上で
恐怖に慄かせながら殺したいわ。
時山なんて、一瞬で終わってしまって
なぜ死ぬのか理解する暇もなかったのでは?

ところが荒は、気が弱いばかりに割を食ったキャラなのに
殺され方は一番酷いって、いささか理不尽。
しかも、事件とは関係ない庄村さんとか、
滝中刑事の娘とか、
むりに死なせなくてもいいような人がどんどん死んじゃう。

とかなんとか言いながらも
雫井さん、好きだから
『犯人に告ぐ2』が早くこないかなぁと心待ちにしてるのです。







by noro2happy | 2015-09-29 20:19 | book