「蒼穹の昴」浅田次郎(#1521)

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今朝の新聞に、浅田次郎さんが春の紫綬褒章を受章されたとの記事。
おめでとうございます。
歴史が大好きで、少しでもわかりやすく伝えることが
自分の使命と仰ってました。

本書は中国の歴史小説。
ご覧のとおり、文庫で全4巻と、かなりボリューミー。
一気に読めればよかったのですが
後がつかえてる本優先で読まねばならなかったので
(何度も言うが、図書館読書の辛いとこ)
2巻読んで、1ヶ月ほどのブランクを経て
後半の2巻を読むという変則読書。
なんだかんだとすべて読み終えるまで1ヶ月半近くを要してしまった。



時代は中国清朝末期。
皇帝はまだ若い光緒帝。
政治の実権を握るのは西太后でしたが
清国の将来をめぐり、紫禁城は守旧派と改革派との思惑が入り乱れていました。

物語は糞拾いで生計を立てる貧しい子供、李春雲と
兄の影に隠れて顧みられることなかった梁文秀、
二人が兄弟の契りを結ぶ、生い立ちから始まります。

やがて、春雲は貧しさから抜け出すために宦官の道を選び、
宮廷に入り、西太后の寵愛を受けて出世していきます。
一方、文秀は科挙を主席で合格し、高級官僚の道を進み、
光緒帝の側近となります。
二人は互いの立場を違えたまま
やがて時代の激流に飲み込まれていくのです。


前半は目が離せないくらい、没頭して読みました。
貧乏から抜けるためだけに宦官になる子どもたち。
アレを切っちゃって、術後?どのような処置をするのか。
その描写がまたリアルなんだわ。
痛っ、痛たっ!
それと科挙ってものがどれだけ過酷ですごい制度だったのか。

しかも、なんとなく勝手にそれらが行われてたのは
ずっと大昔みたいなイメージで読んでましたが
日本では明治維新。
後半は萬朝報とか出てくるし。
考えれば日本の鎖国同様、中国も独自の路線?を歩んでいたんですね。

で、先ほども書いたけど
1ヶ月ほどのブランクを経て後半。
ここからはグッと政変モードに突入。
ただでさえややこしやーの中国人の名前。
せっかく覚えてた人も悲しいことに忘れてたりして。。。(>_<)
かなり読書スピードがスローになってしまった。

それにしても、いろんな書物や映画でも描かれている西太后。
オドロオドロで極悪非道のイメージだったけど
浅田さんは独自のキャラを与えて、身近になったような気がした。

ドラマでは田中裕子さんが西太后を演じたようですが
見たかったなぁ。
多分実写で見て、本を読んだらもっとわかりやすかったかも。
再、再?放送?
やってくれないかな。

いつかもう一度じっくりと読み直したい大作でした。



おまけ;
文庫版の解説で陳舜臣さんが書いてますが
「日本は中国から多くのものを吸収したが、
科挙と宦官だけはついに採用しなかった」とあります。
ですが、朝鮮はといえば、どちらも韓ドラ時代劇ではお馴染み。

そして科挙といえば、どうしたって思いだしてしまうのが
「トキメキ☆成均館スキャンダル」
でもね、実際はあんなもんじゃなかったのね。
想像を絶する狭き門で、幼い時から家庭教師を雇い
対策と傾向をガッチリやって挑むもの。

因みに、「圧巻」というのは科挙から来た言葉だそうです。
科挙の答案は巻になっていて、
成績順に並べられ、主席の受験生の答案は、
一番上に乗せられるそうです。
他の答案を押さえつけているので「圧巻」と称されると。
あと、説明割愛しますが(^_^;)
「破天荒」という言葉もだそうですよ。





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by noro2happy | 2015-04-28 20:47 | book