「怒り(上・下)」吉田修一(#1515)

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正直、手元には届いたものの
今は気持ち的に(このタイトルから想像するような)
ヘビーな内容はきっついなーと思ったんですよね。
図書館派読者の辛いところです。(T_T)

が、ちょっと想像してたのとは違ってました。
先ず感じたことはですね、
小説のタイトル「怒り」でいいんですかッ?
ワタシが編集者なら「疑念」とか「疑心」とか
その辺りを持っていくね。
(↑オイッ、何サマだ?)


以下ネタバレあります。



冒頭は陰惨な殺人現場から。
現場には犯人が残した「怒」という血文字。
犯人はすぐに山神という男と割り出され、全国に指名手配されます。
しかし捜査の網をかいくぐり、その行方はわからない。

そして、物語は殺人事件から1年後の夏に始まります。
房総の漁港にいる父と娘の前には田代という男が現われ、
ゲイのサラリーマンは新宿のサウナで直人という男と出会い、
母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生は田中という男と知り合います。

いずれも前歴不詳、訳ありそうな3人の男。

それぞれの男を取り巻く人々の頭の片隅には常に、
目の前にいる男は一体誰なんだろう、という思いが。
やがて、もしかしたら指名手配されている山神では・・・と疑い始める。
それまでの関係は、小さな疑心のヒビから徐々に崩れ始めていきます。


当初、3つの別々の物語がかわるがわる進行する展開に馴染めなくて、
すごく読みにくさを感じました。
会話部分が多く、余分?と思われるところとかもかなりあった。
のっけからの東方神起にはビックラwww

それぞれが疑いを抱きだす下巻からが面白くなってきました。

殺人犯かもしれない得体のしれない「男」が介在することによって、
人と人との愛着とか、執着、絆、深層心理があぶり出されるさまを、
作者は描きたかったんですね。


それにしても「怒り」の意味がわからない。
いったい血文字を残すほどの山神の「怒り」とはなんだったんだろう。
それが明らかにされないと、このタイトルがピンと来ない。
殺人の動機もわからない。
ま、犯人の「心の闇」よりも周りの人たちの心情を主題としたところが、
この小説のユニークなところ?
な~んてふうに思ったりもしてね。

ただねー、上下巻にするほどのボリュームかしら。
わりとゆったり組んであるし。
さらに余計な会話そぎ落とし、ギュッとして1冊にするな、アタシなら。
(って、だから何サマよ?)




おまけ:
この方「悪人」の作家さんだったのね。
映画は観たんだけど。(過去記事こちら)
来年、こちらの作品も映画化されるそうです。
結構映画向きかも・・・(^_^;)
また妻夫木クンかな?




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by noro2happy | 2015-03-26 21:10 | book