「八甲田山死の彷徨」新田次郎

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「八甲田山死の彷徨」   ・・・・・#1409

ほぼ40年ぶりぐらいに再読しました。
きっかけはもちろん、2月に八甲田山頂まで行ったこと。
ロープーウェイでだけど。
(お気楽すぎて申し訳けない過去記事はこちら
そこで体験したハンパない、ハンパない
しつこいけどハンパない極寒。

あぁ、この寒さの中を・・・と思ったら
死の雪中行軍の事実を改めて読み返したくなりました。
で、読んだあとは、モンスター樹氷見るのも怖い。


日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。
神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、
大隊長が突然“前進”の命令を下し、
指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。
少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、
11日間にわたる全行程を完全に踏破する。
2隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。
(文庫版表4から)


あまりの寒さに狂い死ぬ者。
自らの排泄物が軍服の中で凍結し体温を奪われて死ぬ者、
断末魔の描写はリアル過ぎて読むのが辛いです。

折しも観測史上最悪の寒波というのもあったけど
これはもう、人災だと思いました。
資質に欠けた上官の独断。
命令に対しては間違ってると言わせない軍隊という組織。
時代は違うけど「永遠の0」でも感じた
やるせなさを目いっぱい味わいました。

われわれ世代は、当時流行語ともなった「天は我々を見放した」
のセリフとともに映画も大ヒットしたので
この雪中行軍の話を知ってるけど
若い人は知らないよね。
生まれる前の映画だもんね。
でも、読んどくといいと思う。
無残な事件だから、おもしろいよーなんて
軽々しく言えないけれど
組織とか、指揮力とか自然の猛威
いろんなこと考えさせられます。

因みに、踏破に成功した第31聯隊の徳島大尉は高倉健
第5聯隊の神田大尉には北大路欣也が演じました。
北大路さんが何故口から血を流して亡くなってんだろって
八甲田山頂に展示されてる映画の写真を見て思ったけど
あれは責任をとって舌を噛み切ろうとしたのね。
でも寒さのせいでそれすらできなかった・・・


それと、改めて新田次郎イイ!
20代前半、メチャメチャ心酔してかたっぱしから読んだけど
いま読んでもイイ!
せっかくなので他作品も再読することに決めた。




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by noro2happy | 2014-04-09 21:19 | book