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池井戸潤「銀行総務特命」

c0096685_2059368.jpg人気街道驀進中の池井戸さんの作品。
いやー、昨日の「半沢直樹」もおもしろかったです。
堺雅人がどんどんかっこよく見えてくるんですけど。

銀行総務特命  ・・・・・1320

本書もタイトル通り銀行もの。
主人公の指宿修平は帝都銀行で唯一、
不祥事担当の特命を受けている人物。
もう、読み始めた時からビジュアルは堺雅人。
それしかありませんでした。

全部で8篇の短篇集です。
指宿が銀行内部で起きた様々な不祥事の真相を探るというパターン。
どれもおもしろく、アッサリ読み終わってしまうのがもったいない。
長編だったらきっと、この辺りを膨らませて
グッチャグチャのどろっどろのヒッチャカメッチャカで
ハラハラ・ドキドキなんだろうな~
なんて、自分で書いててもわけわかりませんが
頭のなかは妄想だらけになってしまいます。
ゆえに、え~~~ん、短編物足りないよー。
てのは正直あります。


以下は自分用備忘録です。
興味のある方はどーぞ。

第1話「漏洩」:帝都銀行から流出した融資先名簿が業者に売り込まれた。
流出の経路は、名簿を売りつけようとしたものは誰か。
『オブリゲーションを負う』とは、取引先から接待などを受けたために
本来なら融資を断らねばならない場面で断れなくなってしまう状況。

第2話「煉瓦のよう」:叩き上げで執行役員の肩書きを得たバンカーに
二百億の損失に関与した疑惑が浮かんだ。
この煉瓦のような男(顔)を演じるとしたら、石破茂幹事長しかいない。
堺雅人vs石破幹事長。
この勝手にキャスティングの仮想ドラマのお陰で?特に面白く読めました。
本書の中では特にお気に入りの作品。

第3話「官能銀行」:帝都銀行の女子校員がAVに出演したことが写真週刊誌にすっぱ抜かれた。
指宿は人事部の唐木怜と組んでその女子校員を特定すべく調査に乗り出す。

第4話「灰の数だけ」:支店長の妻子が誘拐された。
回収を担当した倒産先の恨みか。
でた~~!ネジ屋だ!!
「官能銀行」で組んだ唐木怜が人事異動で指宿の相棒となり、
犯人からの指定で身代金の運び役となる。
大掛かりなサスペンス物としての面白さが味わえた。

第5話「ストーカー」:総合職の女性がストーカーにあっている。
同じ支店内の男が犯人としてあがり、
あとは銀行内での処分を待つだけとなるが
これには不良債権先への不正資金流出という裏があった。

第6話「特命隊特命」:一番半沢キャラに似ている作品。
帝都銀行のスタートレーダーによる巨額資金損失。
彼の失敗を、かねてから煙たい存在だった
指宿に押し付けようとする人事部。
人事部対総務部の抗争。
人事部が総力を上げて指宿を叩き潰そうとするところで
残り3ページでどんでん返し。
倍返しで決着を付けるところも正に昨日の半沢直樹。
あー、スッキリした。
こちらも長編を希望するお気に入り。

第7話「遅延稟議」:川崎の支社長が何者かに刺される。
警察に協力しながら独自の捜査を行う指宿。
支社長を恨んでいるのは誰か。
保身だけの銀行員と誠実な銀行員。
法律では許されても、人として許されない行動がある。

第8話「ペイオフの罠」:唯一指宿ではなく唐木視点のお話。
騙しながら他人の金で設けることをなんとも思わない人々。


しかし、銀行だけに限らないけどこういう企業内部モノってのはおもしろいねぇ。
特に池井戸さんの筆運びはわかりやすくて臨場感あって
グイグイ引きこまれます。
3時過ぎの銀行、怖すぎます。
by noro2happy | 2013-07-29 21:26 | book