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「震える牛」相場英雄

c0096685_2021646.jpg震える牛  ・・・・・1308

田川信一は迷宮入り濃厚な未解決事件ばかりを扱う、警視庁捜査一課継続捜査班に所属する刑事。
2年前に起きた「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の調査を命じられます。
殺害された被害者は、互いに面識のない獣医師と暴力団関係者。
事件当初はその手口から、金目当ての不良外国人の犯行と絞り込んでの捜査でしたが、
田川が地道な聞き込みを進めるうちに、その事件の初動捜査に問題があったことが明らかに。

被害者はたまたま居合わせたから殺害されたのではなく
そもそもがこの二人を殺すことが目的の計画殺人では?
田川は二人の繋がりを探るうちに大手スーパーマーケットと
食肉加工業者が関わっていることを突き止めます。

この先色付き文字は自分の備忘録なので、思いっきりネタバレ要注意!

犯人は大手スーパー「オックスマート」の御曹司・柏木信友。
片やBSE発症を公表すべきだと迫られて。
もう一方は、隠蔽しようとする信友を恐喝したため殺害に及ぶ。
しかし、それより悪い奴はミートステーションの八田だと思う。


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相性の問題かもしれませんが、相場さんの文章になかなか馴染めなかった。
登場人物も前のページを繰らないと、誰だったかわからない。
場面も頭に浮かばない。
その前に読んだ池井戸さんとは大違いでした。
もしや挫折か?と危ぶんだところでストーリーも佳境に入り
そこからは一気に読み終えました。

タイトルから想像できるようにBSEが鍵なんだけど
それよりももっと身近な食肉加工品が超怖い。
「雑巾」の表現がリアルすぎて、チェーン店のハンバーグとかステーキが食べられなくなった。
安い居酒屋メニューも、スーパーの格安惣菜も。
こんな値段で供給できるって、いったい原価はいくらよ?
なんてのは実際よくする話。
まさかここまでとは思いたくないけれど、やはりそれなりの理由があるわけよね・・・

あわせて大手ショッピングセンターの地方進出。
それに伴う地元商店街の苦境なども描かれています。
サスペンスというとっつきやすいジャンルで書かれていますが
主題は「食の安全問題」と「利益追求の資本原理」。
もちろん、書かれていることすべてが正しいとは思いませんが
安易に飛びつく消費者にも問題があることを筆者は訴えたいのでしょう。

ラスト、あのままめでたしとはなるまいと思いましたがやっぱり。
あんなからくりはたくさんあるんだろうねぁ。
この先は女性記者に不本意ながらバトンタッチってわけですがこれが現実か。
余韻を残してるのですが、ちょっとすっきりしない読後感ではありました。
by noro2happy | 2013-02-20 20:50 | book