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「風の墓碑銘(エピタフ)」(上・下)乃南アサ

c0096685_18211651.jpg風の墓碑銘(上・下)  ・・・・・1306

またしても、音道貴子刑事シリーズ。
「凍える牙」の滝沢刑事と再びコンビを組むってんで
これは楽しみとばかり借りてしまいました。

今回、音道刑事は隅田川東署の所轄職員。
東向島の家屋解体作業中に白骨らしきものが発見され、音道は現場へ向かいます。
そこから見つかったものは男女の白骨とともに胎児らしき骨も。
早速家主である今川の元へ聞きこみに向かうのですが
肝心の人物は老人ホームに通う認知症の老人。
全く成果が上がらないそんな矢先、今川は何者かに殺害されてしまいます。
捜査本部が設置され、そこで音道は再び滝沢とコンビを組むことになります。

ふたりは老人ホームの職員への聞きこみを開始しますが
ある男性職員の過去を調べるうちに彼の父と姉も不審な死を遂げ
母親は未だに行方不明であることを知ります。
白骨死体、今川老人殺害事件、父娘惨殺事件
これらの事件はやがてひとつにつながるのですが・・・

上巻のほうはなかなか結果が出なくて、
読んでる方としてもイライラ感がつのり若干スローペースでした。
けど、下巻になり3点が繋がりそうになってくると緊張感も高まり一気に。
それだけに、意外な犯人にへっ???
確かに、胡散臭い区議ではあると思ったけどまさかねぇ。
しかも5人も殺すにしては動機が希薄すぎるというか
イマイチ説得力にかけた気がしました。

しかしながら好きな作家さんなので
これは犯人探しというより、複雑な事件の構図と
それらを取り巻く人々の人間ドラマという捉え方をしようと思いました。

気になったのは、前作「鎖」でせっかく滝沢のことを少し理解したはずの音道なのに
また戻ってしまったところ。
滝沢は明らかに変わってるのに音道のほうが構えてしまってるのが残念。
しかも皇帝ペンギンからアザラシにバージョンアップしてるし(^_^;)
とはいえ、二人のやり取りは初回の「凍える牙」から比べると
ぐっとユーモラスだし、どんどん滝沢の味方をしたくなってきました。

しかし、この滝沢刑事も終盤で思わぬアクシデントが有りましたね。
まぁ初期の段階でよかったけど。
それと音道の方だって。
「鎖」で登場した恋人の昴一の病気のこと。
エピローグでは余韻を持たせてあるけれどやっぱり気になります。

しばらく乃南さんからは遠ざかろうと思いますが
このシリーズの長編が出たらやっぱり読んでしまうかな。
by noro2happy | 2013-02-09 18:30 | book