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「銀漢の賦」葉室麟

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★★★★
「銀漢の賦」   ・・・・・#1225

前回初読みの「蜩の記」(感想はこちら)がよかったので
引き続き葉室作品、いってみました。
こちらは松本清張賞受賞作です。

銀漢とは天の川のことだそうです。
ああ、それでこの表紙なのねと納得なんですが
この象徴的なシーンが物語りの伏線ともなっています。
ハードカバーの絵より←文庫のイラストのほうが好き。

架空の藩、月ヶ瀬藩(この名前もきれい)の
家老・松浦将監と下級武士の日下部源五。
彼らは幼馴染みで、ともに剣術を学び将来を語り
深い友情で結ばれていました。
しかし、ある事件を機に、源五は将監と絶交します。
それから20年後、二人の運命が再び交錯したときに
源五に下された命令は「将監を殺せ」
さあ、源五どうでるか。

井堰の開拓や百姓一揆、お家騒動
さまざまな問題が二人にかかわってくるのですが
各々の思いや年月とともに少しずつ語られる手法が
とても丁寧に練られていて、引き込まれます。

もう一人の幼馴染みである百姓の十蔵も加え
3人のキャラクターが明確で誰の心情にも心を寄せることができます。
特に、利己的な心を持たない源五の飄々とした性格は
とかく重くなりがちなお話をカラッとさわやかにしてくれます。
最後の終わり方も好き。

何年たっても、幼いときに培った理解や信頼は
結局揺るがないものなんだと、熱い気持ちにさせれる作品です。

蜩もよかったけど、強いてどちらかと言われれば
銀漢を選ぶかな。
タッチは異なるけど、同じく武士の友情を描いた百田さんの「影法師」(感想はこちら)と似ている。
こういう男の友情もんに弱いんだな、ワタシ。
by noro2happy | 2012-06-20 21:35 | book