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「下流の宴」林真理子

c0096685_201688.jpg★★★☆
下流の宴   ・・・・・#1154

このところ、ドラマと連動して読んでいる物が多い気がするけど
この作品もその一つ。
夏に放映されていたNHKのドラマを観て
なかなか面白かったので予約してみました。

福原家の主婦由美子は、医者の娘、国立大学卒というのがプライド。
それなりに理想の家庭を築き上げていたはずでしたが、
唯一の悩みはその路線から滑り落ちそうになっている息子の翔。
高校中退してフリーター。
ネットのゲームサイトで知り合った、沖縄の離島出身の珠緒と同棲中。

そんな翔が突然結婚したいというので、福原家は大騒ぎ。
由美子はそもそも人間としての「格」が違うと激怒。
姉の可奈は自分の婚活に悪影響と、これまた激怒。
「どこの馬の骨」扱いされた珠緒も当然、激怒。

「医者の娘がそんなに偉いのか、だったら私が医者になってやるから」
売り言葉に買い言葉で出たとっさのセリフがきっかけで
珠緒は2年計画で国立大学医学部を目指すことになります。

福原家の人々にはイライラさせられ通しです。
こんな人リアルにいるのかと思いますが、やっぱ、いるのかもねぇ。
自分の回りに存在しなくて本当によかった。
由美子の格付け主義にも笑っちゃうけど
娘の可奈もあきれるほど打算的。

それにも増して、腹立たしいのは翔。
金銭欲も物欲も性欲もなく、何かに奮起することがまるっきりない。
「二十歳にして死んでる」と翔のおばあちゃんが言うのもよくわかる。
オッカさんたちよりこっちの子のほうが問題あり。

そこいくと、珠緒ちゃんはエネルギッシュだね。
唯一応援したくなりました。
原作ではあまり出番がなかった珠緒ちゃんのお母さんも。
(ドラマでは余貴美子さんがやって、とても存在感があった)

いずれにしても女性の強さ、したたかさが前面に出ていた小説でした。
共感するしないは別として、タフな存在感は強烈。
それに比べ男性陣の影が薄いことよ。
可奈のダンナもしかり。

それにしても、年がら年中、他人と自分とを比べて生きているなんて
正直シンドイだろうなぁ。
by noro2happy | 2011-12-04 20:28 | book