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篠田節子「仮想儀礼」(上・下)

c0096685_2015516.jpg★★★☆
仮想儀礼   ・・・・・#1153

なんだかんだと1ヶ月くらいかかって
ようやく読み終えました。
というのも、読んでる途中で次々に図書館からの予約本が届き
いずれもがズラッと順番待ちありの人気作品ばかり。
本書は誰も待っている人がいなかったので
仕方ない、優先順位で後回しになってしまったというわけでして。

しかし、こういう読み方はやはりダメですね。
モチベーションが維持しきれません。
三分の二まで読んだところでずっとストップしてまして
ようやく再開したものの、どうにもこうにも
暗~くて、重~くて、嫌悪するシーンもあったりで。
結局残りの三分の一の印象が、本書そのものの印象に
なってしまった気がします。
タイミング悪すぎ、ンンン・・・残念。

仕事も家族も失い路頭をさまよっていた正彦。
その彼を騙した男矢口と偶然再会した夜、テレビでアメリカ貿易センタービルの崩壊を目にします。
実業の時代は終わったと感じた二人は、これからの産業として
信仰という商品を売る、新興宗教「聖泉真法会」を立ち上げます。

でたらめな教条を創作したしたにもかかわらず、教祖正彦の元には若者や主婦が集まり
やがて企業社長や財産家が表れ、二人は出来過ぎなほど次々と事業を拡大していきます。
しかし、運もそこまで。
急成長を遂げた「聖泉真法会」は、既成の宗教団体とのパワーゲームに巻き込まれ
金も信者も失い、やがてはカルトの烙印を押され
残った数人の女性信者とともに、正彦たちは追い詰められていきます。

この先からが、冒頭に書いた残りの三分の一になるのですが
作者が本当に書きたかったのはここからなのかもしれません。
実体のない神を本物として取り込んだ「本気」の信者たちには
脱サラ教祖正彦のコントロールは全くききません。
一人歩きした者たちが猛スピードで突き進んでいく、破滅までの狂気が怖ろしいです。

ワタシの場合、作品の好き嫌いを考える上で一番重要なのは
登場人物にどこまで感情移入できるかって点です。
残念ながらこの作品の中では誰一人として共感を覚える人がいなかった。

それにしても、初の篠田作品でしたが、なんつうか、書きっぷりの迫力凄いですね。
とりあえず読み終えた達成感<グッタリ感。
チカリタビ~。
by noro2happy | 2011-11-26 20:20 | book