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辻村深月「ツナグ」

c0096685_21532950.jpgツナグ   ・・・・・#1137

生きている間に、たった一人だけあの世にいる人と会うことが出来る。
その仲介をするのが“使者(つなぐ)”。
依頼は生きている人からだけの一方通行。
会うか否かは死んだ人の自由です。
なぜなら、使者も生きている人に会えるのは同じく1回きりだから。

本書は5編の短編で構成されていますが
最終編は“使者”自身のお話となっていて
ここまで読むと、それぞれの物語のつながりが分かります。

実は、この本を読んだのは半月以上前になります。
会いたい人に会えてよかったねぇ、ファンタジックかつウルウルな展開かと思っていたら
意外にもそれだけでなく、ちょっと後味が悪いというか
ただのイイ話だけで終わらないところが面白いなー
なんていう感想を下書きしていました。
そして、自分だったら誰に会いたいだろう、なんて考えてみたりもしました。
幸か不幸か、そのときは誰も思いつかなかった。

ところがその直後、ワタシ自身にとって
ものすごく近い存在の人が亡くなったことを知らされたのです。
それはそれは打ちのめされ、こんなことがあっていいのかと思いました。

今は本当に会いたい人がいる。
会ってとことん言いたいことがある。
“使者”が現実のお話ならいいのに。
向こうはこっちをたった一人の人として選ばないだろうけど
それでもワタシはその時の言葉をずっと胸に用意しておく。

「ツナグ」は、ワタシにとってただの小説ではなくなってしまいました。
by noro2happy | 2011-08-30 22:08 | book