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「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」と「KAGEROU」

おお、偶然といえば偶然。
どちらも白の装丁。
どちらも230ページ台。
どちらもすぐ読めてしまう。

が、読後感は全く違うのです。

c0096685_21523039.jpg先に読んだ藤原新也さんのほうから。
★★★★
「コスモスの影には
     いつも誰かが隠れている」
   ・・・・・#1105

ワタシには珍しくエッセイ集です。
地下鉄に置かれるフリーペーパーに連載されていたもので
ちょっとイイ話が全部で11篇。
そして1篇ごとに、見開きで写真が添えられています。

「ごく普通の生活を営む男女の交わりや別れの瞬間、
生死の物語が通奏低音のように流れている」
あとがきで藤原さんが書いている通り
どのページにも人と人とのつながりが坦々と描かれています。

別れと出会い、喪失、後悔、再生、喜び
まさに人生はドラマですね。
読後の余韻にどっぷり浸れます。
ここに収録されなかったほかのものも読んでみたくなりました。

そして「あとがき」がまた素晴らしいの一言。



c0096685_215388.jpg★★★
齋藤智裕さんの
「KAGEROU」   ・・・・・#1106

ご存知水嶋ヒロくんです。
もともとミーハー気分で読んだだけなので
予想通りだったとしても、ガッカリしませんでした。
活字が大きく、行間が広いのだけは読みやすかったけど。

命がテーマというにはあまりにも薄いなぁ。
これはファンタジーととらえるものなのでしょうか。

主人公は明日で41歳になるというヤスオ。
人生に絶望して今まさに飛び降り自殺をしようとしている。

一方、ヤスオの自殺を止めたのは思いっきり美青年の京谷(キョウヤ)。
医療法人全日本ドナー・レシピエント協会
略して『全ド協』のコーディネーター。

キョウヤはヤスオに臓器提供の契約を持ちかけます。
ちなみに、表紙のブルークロスは
『全ド協』のロゴマークです。

このあたりまでで全体の約三分の一。
ここまでかなぁ、しっかり読んだのは。
どんどん駄ジャレが鼻についてくるし、
文章を目で追っているだけになってしまいました。
とにかく人物設定も、ストーリーそのものも説得力がないのです。

やっぱり小説大賞受賞作品かといわれれば
首を傾げざるを得ないでしょうか。
もっと実生活に即したものを書いたほうがよかったのに。
普通の同世代の人よりずっと特異な経験とかありそうだもの。

辛口になってしまいましたが、
藤原さんのあとでは仕方ないか。
「コスモス~」とは真逆、読んだあと何も残らないお話しでした。
by noro2happy | 2011-01-29 22:07 | book