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切なすぎる男の生き様「影法師」

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『影法師』百田尚樹:著
★★★★

間違いないと思って読んだ本が、期待通りだったら。
もちろんそれはうれしいことですが。
半信半疑で読み始めたのが、見事に自分のツボにはまったら。
読書の喜びはひとしおです。
今回もそんな一冊でした。

百田さんといえば、ワタシを虜にしたあの『Box!』の作者。
高校生の友情物語を熱く描いたかと思えば、
今回は時代小説です。
う~ん、なんかピンとこないけど・・・
ところが、これまたやられましたー。
これは小説だと思いつつも、泣けます。
『Box!』が熱い“動”の友情なら、今回は深い“静”の友情って感じ。

下士の息子・戸田勘一と中士の息子・磯貝彦四郎が初めて出会ったのは
勘一の父親が、理不尽にも上士に切り殺された日。
「泣くなっ」
「まことの侍の子が泣くな」
彦四郎の発した言葉が、崩れ落ちそうになる勘一を支えたのでした。

それから数年後に再会した二人は友情の証として『刎頚の契り』を結びます。
しかし、運命は思わぬ方向に。
勘一は藩の筆頭家老まで登り詰め、
一方の彦四郎は国を追われ、すさんだ生活の果てに死んでしまいます。
なぜ将来を最も嘱望された彦四郎が、日の当たらない場所を歩くようになってしまったのか・・・

物語は勘一が彦四郎の孤独な死を知るところから始まり、懐古シーンへ続き、
再び現代に戻り、彦四郎の謎が解明されていくという構成。

竹細工の虫かご、百姓一揆、上覧仕合、干潟の干拓などなど
これらの出来事がすべて伏線としてつながる筋立てがすばらしいです。
タイトル『影法師』の意味するものが判明するラスト。
こんなヤツはいないだろうと思いつつも、やっぱり切なくて号泣モノです。

彦四郎さん、そこまでやらなくても・・・
惚れてまうヤロ~~~ぉ 007.gif

文体も読みやすく、時代モノNGって人にもオススメ。
『Box!』同様、映像的です。
福山雅治、織田裕二、大沢たかお・・・
このあたりならどちらの役をやってもOKかな。
なんて、勝手に想像していましたがNHKあたりの連ドラで見てみたい。
by noro2happy | 2010-06-27 21:10 | book