人気ブログランキング |

「笑う警官」

c0096685_21463373.jpg★★★★
今年最後の読書感想文は佐々木譲:著「笑う警官」です。

佐々木譲さんの作品は「警官の血」(こちらもね)に続いて2冊目です。
本書は先月映画でも上映されました。

最後まで、なんでタイトルが「笑う警官」なんだろうと。
そうしたらなんと、筆者のあとがきによれば、映画のために改題したそうですね。
元々は「うたう警官」。
やっぱり、これしか浮かばなかったもの。
「うたう」という言葉が分かりにくいというのも一つの理由らしいですが、内部告発したり、いわゆるチクることを「うたう」というらしいのです。

さて、そのあらすじを。
札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見されます。
遺体の女性は北海道警察の水村朝美巡査。
容疑者は、被害者と同じ本部に所属する交際相手の津久井巡査部長。
捜査は所轄署の手からいきなり本部へ移され、覚せい剤乱用のうえ、拳銃所持の疑いもあるということで、津久井に対する射殺命令がでてしまいます。
捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めるのです。
やがて佐伯は、津久井と被害者の関係が終わっていること、さらに津久井が実は明日、議会で道警の不祥事について発言することを聞かされます。
どうやら津久井が犯人に仕立てられたのは、調査委員会で、道警の不利を「うたう」ことを阻止するためか。
佐伯チームの中に潜む裏切り者。
そして真犯人として浮かび上がるキャリア警官。
津久井をかくまいつつ、同時に彼の無実・事件の真相を探るために残された時間は、わずか24時間。

途中、中だるみかなーって思うこともありましたが、終盤、裏の裏をかくような佐伯の指示がてきぱきと出されるところなどは、映画を見ているようでとても緊迫感があっておもしろかった。
今回の射殺命令にしても、今野敏さんの公安モノにしても、こんなの小説の中だけだろって思いたいけれど、あとがきやら解説やらを読むと、まんざら嘘でもないみたいなんですよね。
これが怖いわぁ~。
国家権力の隠蔽体質は、作家が違っても共通のテーマとして描かれているんですねぇ。
永遠に、小説の世界だけでおもしろがっていたいところです。
by noro2happy | 2009-12-28 21:58 | book