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出世花

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髙田郁:著「出世花」
今年、髙田郁さんの小説に出会えたのは、収穫の一つでした。
まだ3作しか読んでいないのですが、いずれもハズレなし。
読後感が素晴らしくよく、心が温かくなります。

今回読んだのは「出世花」。
多分、読んだ人の誰もが「おくりびと」を思い出すでしょうね。
死者の弔いを専門とする「墓寺」青泉寺で、亡骸を清める「湯灌」の仕事に携わるお縁の話。
「八朔の雪」同様、この主人公お縁も、芯が強くて思いやりがある心優しき女の子です。

お縁がこの仕事に付くまでのいきさつが描かれた「出世花」。
棺おけ作り岩吉の純愛が泣かせる「落合蛍」。
ミステリー要素アリの「偽り時雨」。
お縁を優しく見守る青年僧・正念の出自が明らかになる「見送り坂暮色」。
これら4編がおさめられています。

この最後のお話がワタシは一番好きでした。
正念さんのブレない心、凛とした思いに目頭が熱くなりました。
「おくりびと」があるからではないですが、映像化するならまたまたモックンでどうでしょう・・・

髙田さんの小説の共通点は、主人公の回りにいる人が善人ばかりってことも。
普通なら、なんとなく鼻に付いたりするものですが、彼女に限っては、アリです。
それでいいんです、って感じ。

寒い冬のひと時、一人コタツに入って読むのに最適ですよ。
しみじみと、しみじみと、心洗われる思いです。
by noro2happy | 2009-12-14 22:46 | book