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良い人は良いね 「銀二貫」

c0096685_232721.jpg高田郁さん著の「銀二貫」を読みました。

★★★★

『人はこれほど優しく、強くなれるのか?

一つの味と一つの恋を追い求めた若者の運命は?

時代小説の新星・感涙の書き下ろし』


ちょっとばかりこういうのに弱いのよね。
新聞広告の宣伝文句にひかれ、図書館で予約したのですが、意外に早く手元に届きました。

まぁ、ワタシにとっては初めての作家さんだし、久々の時代物だし。
失敗したらとっとと返却しようなんて軽い気持ちで読んだのですが・・・
これがなんとも清々しく、読後感爽快。
ダーティーなおばちゃんの心のススを洗い流してくれましたわ。

大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちの場面に遭遇します。
仇の息子である鶴之輔は父を亡くし、あわやのところで自らも殺されそうになっていたところ、銀二貫で和助に救われます。
お金は和助が天満宮に寄進するつもりで工面した大金でした。
やがて鶴之輔は松吉と改め、和助の下で商人としてのいろはを覚えていくのですが、その間にはさまざまな苦難が待ち構えています。
たび重なる大火、それによる初恋の人との別れ。
試行錯誤を繰り返すも、思い通りに行かない寒天や羊羹の開発・・・
それでも、ひたむきに自分の仕事を全うし、ひたすら恋した人を思い続ける姿。

サラッとした文章なのに、やけに胸にこたえるんですよ。
そして、節目節目にキーワードとなる「銀二貫」がどんな役目を果たすのか。
ラスト2行の会話でついにワタシの目から水が・・・。

現代には希薄になりがちな人情だの、恩義だの、とにかく生真面目なテーマですが、すーっと心に沁みるのです。
人が誠実であることの素晴らしさをひしひしと感じます。
by noro2happy | 2009-07-27 23:12 | book