「死神の浮力」伊坂幸太郎

c0096685_18195084.jpg今日は一日よく降りました。
こんな雨の日に読むにはぴったんこな本。
そう、雨と共にやってくる死神・千葉。
もしかしたら今日も誰かの元を訪れているのかも・・・

死神の浮力  ・・・・・1332

死ぬべき人間のもとに派遣され、
死を「可」とするか、見送るかを決める-。
それが死神・千葉の仕事。
今回の調査対象は、最愛の一人娘を殺された作家、山野辺遼。
犯人の本城崇は一度は逮捕されたものの
無罪判決を受けて釈放された。
山野辺は妻とともに本城のあだ討ちを決意する…。

前作の「死神の精度」を確かに読んだはずなのにほとんど記憶が無い。
もしかしたら、映画を見たんだろうか・・・
しかも、ずっと千葉を演じたのは松田翔太だとばかり思ってたら
そっちは「イキガミ」だったという
ああ、勘違いの大ボケ。

まぁ、そんな記憶喪失話はどうでもよくて
短編から長編となって登場の本作品。
正直言って、ちょっと長かった。

死神と人間の咬み合わない会話も、飛躍し過ぎのたとえ話も
後半からはややくどさを感じるようになってきました。
なんでだろう。
いつもなら、このくどいくらいのウンチク話とかが好きなのに。

(ネタバレあり)

本城は知能指数の高いサイコパスで、
釈放されるや、山野辺夫婦に次々に残忍な罠を仕掛けてきます。
殆どやられっぱなしの復讐劇で
普通ならやりきれなさでいっぱいのはずなんだけど
同行する千葉との会話のズレ具合がコミカルで
悲壮感とは縁遠いものに。
それに、千葉が調査中の間は山野辺が死ぬことはないって安心感もあったからね。

千葉の同業者である香川が本城の調査員なのですが
あろうことか、「見送り」とすることに。
理由が「寿命還元キャンペーン」に乗ったってのが笑えますけど
そんな、理不尽なーと思いきや
この「見送り」はある意味死より恐ろしいもので
読者としては胸をなでおろしました。

結局千葉は山野辺に対しては「可」の判断をするのですが
余韻のあるラストはとてもよかった。
最終章で、それまで感じていたプチイライラも解消されたって感じでした。

クールで万能で仕事熱心な千葉、イケてます。



オマケ:
理数系となると脳ミソ萎縮のワタシには
これだけ噛み砕いて説明されても理解できない「浮力」

物には水の中で浮かぶ力があるわけ。
水の押す力が上に作用する、ってことみたいだけど。
その浮力の強さって、重さとは関係ないんだって。
体積によって浮かぶ力が決まるの。
大きい物ほど、浮かぶ力が強い。
水をいっぱい入れて、そこに氷を浮かばせたとするでしょ。
氷が溶けたらその分、水の量が増えて、グラスから溢れる気がしない?
でも、実際はそうならない。
水位は変わらないの。
なぜかと言えば、さっきの浮力のおかげ。
氷は姿を消すけど、全体の量は変わらない。
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Commented by 藍色 at 2016-03-11 12:44 x
緩急が効いていて、飽きずに楽しく一気に読めました。
今回も、千葉の生真面目さと人々とのピントのずれたやりとりが面白かったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
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by noro2happy | 2013-10-20 18:29 | book | Comments(1)